先日昨年植栽工事が完成しましたお宅へお庭の手入れにお伺いしました。
樹木の根が健全に張り、より良く成長するように考えて、
土壌改良を施し、また、その場の地下の水と空気が動くように、
植栽した周りには溝と穴を掘り巡らせ、
そこには有機物である枝葉や、幹を詰めてあり、
それが分解する過程で、微生物を呼び込み、
多様な土中環境と、土中の水分・空気循環を作り出すことで、
根が細根を伸ばし、土中に張り巡らし、
それに伴って樹木・草花の上部は健全に成長していきます。
一度工事が完成してしまえば、それまで手をかけたことは全く見えなくなってしまいますが、
目に見える美しさ以外に、
樹木や草花、その場の環境全体が健全に育っていくように、
入念に目に見えない部分において手をかけています。
それが土の中の見えない部分であり、
土中の環境です。
作業としては単純で、土の中に穴や溝を掘ることで、
土の中に地形(落差)を作り出し、
それにより、土の中の水と空気の動きを作り出すのです。
土に穴を掘ると、その穴の側面からは水が染み出します。
また、蚊柱が立つこともあり、
私個人の見解では、その穴の側面から空気(ガス)が抜け、
その臭い、ガスの成分によって虫がおびき寄せられているのではないかということです。
この仮説が当たっているのなら、穴を掘ることで空気が抜けるということが説明できます。
そのような仕組みをこの庭の中でも作り出し、
それも相まって樹木はおかげで健全に成長している様子です。
でも実は、まだ植えてちょうど1年、が過ぎた頃です。
昨年植えて3か月後くらいに下草を追加で植えさせていただいたときに、
木の幹の50㎝ぐらい先を掘ったところ、その時点ですでに樹木の細根がその位置に到達していました。
これは植えた本人もびっくりでしたが、
やはり、健全に樹木根が伸びる環境を作り出してあげられれば、
木の根は自然にたくましく成長し、
それに伴い上部もモリモリと茂っていくのだと実感できました。
こちらも庭の手入れ後の様子です。
手入れ前はもう少し茂っており、ほどよく風が通る程度に、
剪定してあります。
植えてまだ1年で、まだまだ根を張り、木を成長させ、
土の中に安定して定着させたいので、必要以上に葉っぱを減らしすぎずに
光合成で養分を蓄えていってもらいたいという私の意図もあり、
環境全体でこの先も、順調に育っていけるよう見守っていきたいと思います。